ネフローゼ症候群・入院 ( 概要一覧 | 詳細一覧 )

1日目「入院」

070827

07年8月27日(月)

今日から入院だ。病気の名前は『ネフローゼ症候群』という。
じつは子供の頃にこの病気にかかったことが何回かある。
20年ぶりに再発した。

からだの様子がおかしくなったのは、会社の夏季休暇に入る前夜のことだった。
休暇に入るということでその日までの労をねぎらって会社のメンバーで飲んでいたところ、突然貧血で倒れてしまった。
(メンバーには心配かけたね。ごめんね。)

そのときは、お酒が急に回ったのかと思ってそこまで気にしていなかったのだが、翌日からずっと気分が悪い日が続いた。そのため夏季休暇はほとんど家で寝ていた。

体調が気になったけど、休暇明けに会社の健康診断が控えていたのでそのときに調べてもらえばいいかと思って自分から病院にいくことはなかった。

しかし、休暇が終わったころから体中がむくみだした。

今年の夏は酷暑だったため体が疲れているのかな、と思っていたくらいだったが日に日に体のむくみがひどくなり、毎日夕方には歩けないほど足がむくんだ。

そのころようやく思い出した。自分が『ネフローゼ症候群』だったことに。

次の日会社に午前休をもらって近くの内科へ。尿検査と血液検査の結果は案の定最悪だった。その内科から大きい病院を紹介してもらい、さらに再検査。結果的に緊急入院という流れになった。

この病気の主な治療法は薬と安静と食事制限だ。子供の頃の記憶だと、味のしない食事を食べ、苦い薬をたくさん飲まされ、何もしないで寝かされる、そんな印象だった。

でも、ここの病院の食事は味がした。むしろ普通においしいご飯が出てきた。子供の頃はなんであんなにまずい食事が出てきたんだろうか。しつけのためか、社会の厳しさを教える教育のためか。いまさら理不尽な気持ちになった。

とにかく今日から入院生活がはじまった。

入院1日目の食事

今日までの注射:1

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2日目「誕生日」

070828

07年8月28日(火)

今日は誕生日だ。誕生日を病院で過ごす。これも20年ぶりのこと。
とても笑えないプレゼントだ。

病院の起床は6時。看護婦さんに起こされた。
ここ数年こんな時間に起きたことがなかった。
起こされたのには理由があった。朝の血液検査だ。
しかも、昨日も検査したっていうのに、試験管みたいなケースで6本くらい採られた。

その後の記憶がなかったのは、倒れたのか、眠かったのか・・・。
起きたら朝ごはんの時間だった。
朝ごはんもうまかった。

07年8月28日の朝食

午前中に主治医に呼ばれて今後の治療の話を受けた。まず、「腎生検」という検査をして、いま腎臓がどういう状態かを調べるらしい。この腎生検という検査が結構エグい。

ボールペンの換え芯くらいの太さの針を背中に刺し、生きた腎臓の細胞を採取するらしい。もちろん麻酔はするが。

その話の最中、自分は貧血で倒れてしまった・・・。話の内容がショッキングだったのと、今朝の大量の採血が原因だ。

そのまま自分のベッドに運ばれて血中に足りないアルブミンというタンパク質の点滴を受けた。点滴は5時間くらいあるそうだ。
することもなくずっと天井を見つめていた。

突然、病室のカーテンが開いた。仕事の休憩時間に恋人がお見舞いに来てくれたのだ。
頭がもうろうとする中、恋人と話をしているうちにいろんなことが頭をよぎった。

恋人を守るべき存在の自分が入院していること
たかが貧血で倒れてしまったこと
今日が誕生日であること
会社のメンバーに迷惑をかけていること
家にいるの猫のこと
子供のころ入院したこと
そのとき毎日看病してくれた母親のこと

自分がどうしようもなく情けなくなった。久しぶりに涙を流して泣いた。

休み時間は短く恋人はすぐに帰ってしまった。泣いていた時間がもったいなく思えて後悔した。
その後、寝たような寝てないよな時間を過ごした。夕方、点滴が終わったが、また貧血の恐れがあるからなのか、点滴の針を抜かずにジョイントの部分に栓をして管を手首に巻かれた。腕に針が刺しっぱなしなので違和感があった。

テレビを見ながら夕食を食べていると、今度は会社のメンバーがお見舞いに来てくれた。誕生日とはいえ今日来てくれるとは意外だった。フロアの小スペースに移動して小一時間談笑した。
昨日入院する前にあったはずなのに、ずいぶん久しぶりに思えた。
とても楽しかった。落ち込んでいたが元気が出た。

今日までの注射:4

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3日目「シャワー」

070829

07年8月29日(水)

今日も朝から採血をした。でも、1本だけだったからうれしかった。
採血されてうれしいというのも変だけど。

明日は腎生検のためか、その他の検査はなにもなかった。
昼食にはメロンまで出てきた。こんなの食べていいのか。

07年8月29日の昼食

先生と看護婦さんから昨日の説明の続きを受けた。
検査後は24時間ベッドから動かないこと、1Lの水を摂取すること、止血剤を飲むことなど。

検査の翌日からはトイレに立ってもいいが、基本的には1週間安静らしい。
検査よりもベッドで1週間の刑の方がつらそうだ。

検査前に清潔を保つため、入院後初めてシャワーを浴びた。シャンプーとボディーソープは買ったが洗面器がなくて不便した。
あと、左手に点滴の針とジョイントがつけっぱなしだったのわずらわしくうまく体が洗えなかった。

しかし、このジョイントはいつまでつけっぱなしなのだろうか。

今日までの注射:5

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4日目「腎生検」

070830

07年8月30日(木)

今日は腎生検の日だ。開始は9時30分から。
朝食はいつもの半分の量を食べること。看護婦さんからの指示だ。

病室で待っていると、看護婦さんが来てベッドごと個室に運ばれた。
緊張する。

パジャマの上を半分脱いで、右腕に鎮静剤を打たれた。
鎮静剤が入っていくにつれて腕に殴られたような痛みを感じた。

数分横になっていると先生が来て、手順の説明をされた。
説明されてもうつ伏せだからなにされるかわかんないだろうけどね。

その後、体にシーツをかぶせられた。何でシーツ?

じつは腎生検はリスクを伴う検査らしい。
腎臓とは血管がたくさん集まった器官でそこに太い針を刺すため、もちろん出血する。
ごくまれに大量の出血をする場合があるらしく、出血が止まらなかった場合、最悪腎臓ごと摘出することがあるそうだ。もっと最悪だと死ぬらしい。
シーツはたぶん、出血したときの止血用と思われる。
昨日、同意書も書かされた。腎生検自体拒否できたのだが、この際やっとくかと腹をくくってみた。

はじめに打った鎮静剤のせいか、頭がぼーっとしてきた。そのあと、腰に麻酔を打たれた。腎臓本体に打ったと思われるが、ほとんど痛くない。

いよいよ生検が刺される!
生検は銃のようになっていてトリガーを引くと針が発射される。針を抜くと針の中に詰まった腎臓の細胞が採取できる仕組みだそうだ。

ここからは触られた感覚から察する想像なのだが、エコー(超音波)で腎臓の位置を確認して生検を刺す部分にマーカーをつける。マーカーは真ん中に穴が開いているシールみたいになっていてマーカーにも針がついていると思われる。腰に貼られたときにチクッとした。

先生がマーカーの穴に生検を当てた!

パシュッ!
トリガーが引かれた!

・・・・・・

痛くない・・・。
ほとんどなにも感じなかった。意外すぎる。臓器に針刺してるのに。
生検を抜かれてるときもほとんどなにも感じなかった。

むしろ、生検を抜いたあとの圧迫止血のほうがよっぽど痛い。
先生が体重をかけて傷を押す。腰骨折れそう。

腎生検は3回行う。同じようにして残り2回も無事に終わった。死なずに済んだ。

その後、腹帯というおなかの包帯を巻いて、30分間うつ伏せ、2時間仰向けで寝た。

しかし、ここからが大変だ。明日の昼まで横向きを保ったまま寝続ける。
寝返りもダメ。キツそうだな。

今日までの注射:11

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5日目「おしっこ」

070831

07年8月31日(金)

やっぱり昨日の夜は大変だった。
腎生検をした右側を下にして横向きに24時間。
しかも、生検した部分を圧迫するため重りを当てて腹帯をしている。
この重りが硬くて痛い。

ついでに大変だったのがトイレだ。
24時間寝たきりということはトイレには行けない。
そのため、ベッドで横向きになったまま尿瓶におしっこをしなければいけない。
これがなかなかできなかった。

日ごろおしっこはトイレに行ってするものと体が覚えている。いわば条件反射。
部屋でおしっこするという非日常が理解ができても体が反応しない。
尿意はある。しかし、出そうで出ない。

はじめは、漏れそうになったら自然と出るかなと思っていたが、膀胱が痛くなるにつれてなかなか焦ってきた。焦ってなおさら出ない。

ナースコールしてみた。先生が来てどうしてもできなかったらおなかに管を通してくれるとのこと。しかし、おなかを切るため普通に手術だそうだ。それは絶対いやだ。無駄におなかなんか切りたくない。

先生が行った後、尿意と戦いながら考えた。

もうしょうがない。どうなってもいいやと思って無理やり起き上がって、ベッドに座って尿瓶を当ててみた。

そしたら、いとも簡単におしっこが出た。

どうやら、横向き姿勢がおしっこが出ない原因だったらしい。一気に安心した。
24時間寝たきりを破ってしまったがこればっかりはしょうがないと思う。

その後、同じ方法で何度かトイレを済ませその他の時間はずっと横になって寝た。

次の日、案の定、体が激痛だった。腰はもちろん、肩も背中も足も痛い。
午後から腹帯の重りが外れた。生検跡はちょっと痛かったがずいぶんと楽になった。
ついでに手首の点滴のジョイントも外れた。

今日から薬の投与も始まった。子供のときに飲んだ薬と同じ味だった。苦かったけど懐かしかった。

プレドニゾロン、胃薬

今日までの注射:11

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6日目「安静」

070901

07年9月1日(土)

腎生検から2日。傷はほとんど痛くない。
基本的に安静を言い渡されているが、ある看護婦さんは売店まで歩いていいといってくれた。
また、1週間ヘマスチェックという尿の検査も始まった。
トイレに行った際、おしっこに試験紙をつける。おしっこに血液が混じっていたら反応する。
血液が混じっている間は、腎臓の傷がちゃんとふさがってないということらしい。
もちろん、試験紙に反応があった。見た目にはわからなかったけど血尿らしい。

入院6日目だが、寝ている日々が続くため体力・筋力がみるみる落ちているのがわかる。
安静を言い渡されているが、腹帯が取れたら腹筋でもしようかな。ばれないように。
ほんとはビリーズブートキャンプがしたい。

入院中少しでも仕事と勉強ができるようにPCを買う予定なのだが、なかなか理想のPCがない。
早くほしいんだけど迷い中。

07年9月1日の夕食

夕食にわらびもちなんて出た。結構なんでも食べていいんだな。

今日までの注射:11

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7日目「タオル」

070902

07年9月2日(日)

入院して始めての日曜日。先生と看護婦さんが少ない気がする。
反面、お見舞い客が多い。

入院してから毎日体重を量っているのだが、健常時より5kgも増えた。
摂取している水分がほとんど体に溜まっているらしい。
明日か明後日、レントゲンを撮って肺に水が溜まってないかチェックするらしい。
余計な処置が増えるから、溜まってないといいな。

今日も恋人が来てくれた。本当にありがたい。
ウチには車がないので、自転車を買ってそれで来てくれた。
サドルの軸にサスペンションが入っていて、衝撃を抑えてくれる仕様なのだか逆に乗りにくかった。
自転車は多少ガタガタしてたほうがバランスとりやすいと思うんだけど。

夕方、看護婦さんが蒸しタオルを持ってきてくれた。傷跡が完全にふさがってないのでシャワーが浴びれない。体を拭くよう病院のタオルを貸してくれたのだ。
しかし病院のタオルにしてはなんとも刺激的。売店に売ってるのかな。ちょっとほしい。

病院のタオル

今日までの注射:11

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8日目「暇」

070903

07年9月3日(月)

入院して8日目。いよいよ暇になってきた。
この暇な時間を会社のメンバーに振り分けてあげたい。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

今いる病室は4人部屋の相部屋なのだが、斜めのベッドにいた人が昨日退院して、今日新しい人が入院してきた。
やっぱりおじいちゃんだ。
自分と同じくらいの歳の人はまだ見たことない。この歳で入院している人なんてそんなにいないんだろうな。

午前中に腰のレントゲンを撮った。服用しているプレドニゾロンの副作用で骨粗しょう症になる可能性があるらしい。先生にも転倒に気をつけるように言われている。リアル怖い。

午後からはすることがなく、加入している生命保険の書類を読んだり、DSしたりした。
いまプレイしてるゲームが子供向けゲームで正直つまらない。そのくせ、時間かかってイライラする。

朝は、がんもの煮物。昼はさばの味噌煮。夕は変わりハンバーグを食べた。
一食300円弱だそうだ。
普段よりいいもの食べてる。自分で作らなくてもいいし。給食って楽だな。

07年9月3日の昼食

今日までの注射:11

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9日目「胃痛」

070904

07年9月4日(火)

今日は朝から採血と尿検査をした。
薬を服用してから5日くらい経つのでその効果を見るためらしい。
午前中に肺のレントゲンも撮った。

いまたくさん薬を飲んでいる中でプレドニゾロンという薬が胃を破壊するらしい。同時におなかを空かせる副作用もある。

そのせいで昨晩から胃痛がしていて、今日の昼過ぎピークに痛かった。せっかく昼に恋人が面会に来てくれたのにほとんど話ができず悪いことをした。

夕方からだいぶ痛みが治まり起きていられるようになった。

定期的に看護婦さんが腹帯を巻き直しにきてくれるのだが、暇そうな自分に
「そろそろ仕事がしたいんじゃないですか?」
と聞いてきた。

「暇すぎて病気になりそうです」
と毒づいておいた。

だいたい毎食果物が出てくるのだが、今日は巨峰がでた。こんなに甘い物ばかり食べていいのか。

07年9月4日の夕食

今日までの注射:12

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10日目「続胃痛」

070905

07年9月5日(水)

今日は何も検査がなかった。
ただ昨日に引き続き胃痛がひどくて、朝ごはんを食べた後からずっと寝ていた。

起きたら昼ごはんの時間になっていた。全然おなかが空いてなかったのでほとんど食べず、夕方に残りを食べた。食べた後余計に胃が痛くなって後悔した。

胃痛のことを先生に相談した。明日からより強力な胃薬を出してくれることになった。効くといいのだが。

その後もずっと胃痛がひどくて晩ごはんは全然食べなかった。鮭のムニエルごめんね。

07年9月5日の夕食

今日までの注射:12

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11日目「丸刈り」

070906

07年9月6日(木)

今日も朝から胃痛がしたが、まだ調子のいい午前中に病院内の理髪店に行った。
入院中、寝癖の処理とかシャワーに毎日入らないことを考えて、丸刈りにしてもらった。
くりくりさっぱり。僧侶みたい。

まるがり

理髪店から帰ってくると、斜めのベッドに50代くらいのおじさんが寝ていた。2泊3日の入院らしい。気軽な感じがうかがえてムカついた。

午前中にスペースを挟んで隣のおじいちゃんが退院した。
このおじいちゃんは、退院が決まった日にうれしかったのか自分に三ツ矢サイダーをくれた。
入院中にアルバムを作っていて、退院したら奥さんにプレゼントするらしかった。なんともいい雰囲気のおじいちゃん。どうかお元気で。

午後にはもう隣におじさんが入院してきた。サイクルが早い。おっとりした声の大きい60代の人で、急患らしい。本人は平気そうに笑っていた。英語交じりの日本語で話している。

今日もやっぱり胃が痛かった。

夜、3人のおじさんに囲われて寝たのだが、いびきがほんとにすごい。マンガみたいにゴゴゴゴ、ガガガガというまさにあの感じ。おじさんになるとああなるのかな。気をつけよう。

夜中に台風9号が通過した。廊下の窓が開いていたらしく朝方看護婦さんがキャッキャ言いながらモップ掛けしてた。

今日までの注射:12

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12日目「結果」

070907

07年9月7日(金)

今日は朝採血と尿検査をした。どうやら、火曜日と金曜日が検査の日らしい。

朝食昼食まで調子がよかったが、昼食後からまた胃痛が始まった。胃薬を変えてもらったのに。
でも昨日までの痛みよりマシだったので、ベッドに座ってじっと耐えた。一食は半分くらいの量が限度らしい。

採血と尿検査の結果が夕方に聞けた。前回の結果より悪くなっていた。
まだ治療全体の中の途中の段階だからそんなにおかしいこともない、といった感じで先生は話してくれた。先生を信じて治療を続けるしかないか。

血液検査と尿検査の結果

今日までの注射:13

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13日目「日常」

070908

07年9月8日(土)

今日は朝から病院内が静かだった。
土日は検査がないため、看護婦さんが少ないようだ。

朝食と昼食が質素だった。給食作る人も休みなのか。

夕方、恋人が面会に来てくれた。4日ぶりだったがずいぶん久しぶりな気がした。
今日までの話をした。ただ特別のことはなく話だけをした。一瞬、日常に戻った気がして逆に寂しい気持ちになった。

早く退院したい。

今日までの注射:13

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14日目「電話?」

070909

07年9月9日(日)

今日も病院は静かだった。日中はお見舞い客がちらほら来るくらい。

ところで昨夜、びっくりすることが起きた。ちょうど0時くらいのこと。

隣の国際おじさんが突然、
「ママ!この果物は日本で紹介されてますか?」
と大きな声でしゃべりだした。

もともと声の大きい人なんだが、静まり返った夜中のことだったからなおさらびっくりした。国際おじさん以外全員起きたと思う。
はじめは電話でもしてたのかと思ったが、その後何事もなく静かだった。どうやら寝言だったらしい。

夢の内容が気になる。

今日までの注射:13

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15日目「マナー」

070910

07年9月10日(月)

今日、斜め位置のベッドにまた新しい人が入院してきた。様子を聞く限り、この人も早く退院するようだ。

しかし。新しく入院する人が例外なくうるさい。
今回の人も行動がいちいちガタガタ物音立てるし、ケータイは普通の着信モードだし室内で通話するし。
なにより食べてるときの音がとても耳障りだ。早く出てってほしい。

ちなみにイチバン一緒にいるおじさんが週末に退院するそうだ。よかったね。お孫さんも喜ぶよ。

で、またその空いたベッドにうるさい人が入ってくるんだろうな。憂鬱だ。相部屋ってキツいな。

今日までの注射:13

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16日目「獣」

070911

07年9月11日(火)

今日も早朝から採血と尿検査をした。採血のとき失敗されて余計に針を刺された。とはいえ自分の低血圧が悪いのだが。

夕方、検査の結果がきた。驚くほどよくなっていてびっくりした。正常値までとはいかないがかなりいい数値をたたき出した。これは思ったより早く退院できるかも。調子に乗ってキットカット食べた。

話は変わって昨日入院してきた斜めの人がかなりうるさい。
午前中に検査で、朝食が検査後だったらしいのだが、じっとしていられないらしく早朝からガタガタガサガサほんとにうるさい。
検査から帰ってくるなり、取っておいてもらった朝食と昼食を獣のような音を立てて食べてた。その後2回くらい売店でお菓子を買ってはボリボリ食べ、面会に来た奥さんからおにぎりをもらっては食べていた。
夕方、夕食を運ぶコンテナが廊下を通るなり、走って部屋を出て行きむさぼり喰ってた。

今日初めて姿を見たのだが、威厳のカケラもない太った薄汚い60歳前くらいのおじさんだった。ほんと下品な歩きか足してた。

自分には父親と生活した記憶がほとんどないのだが、一般的な父親とはあんなものなのだろうか。だとすると幻滅だ。

男はいつからおじさんになるのだろう。もし自分が父親になることがあれば、絶対にああはなりたくない。とはいえ、こんなところで他人の批判をしているあたり、自分が大した男ではないことを証明している。ここらでやめておこう。ごめんね。獣のおじさん。おじさんが悪いわけではなく相部屋が悪いんだから。

自分には理想の父親像がある。それは今の恋人のおとうさんだ。点数を稼ぐつもりでなく、ほんとにそう思う。詳しくは書けない(書ききれない)が大変立派な方で尊敬している。超リスペクト☆

今日までの注射:15

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17日目「薬」

070912

07年9月12日(水)

今日は薬の話。今後の自分のためにもまとめておこう。

ネフローゼ症候群に対して主に処方している薬が『プレドニゾロン錠(5mg)』である。これを朝6錠、昼4錠飲んでいる。このプレドニゾロンは、ネフローゼにはよく効くらしいが、非常に強い薬でさまざまな副作用がある。

プレドニゾロン錠(5mg)

まず、体の免疫力が激減する。そのため病院内でもマスクを着用していて、外に出ることができない。すぐに風邪を引いて肺炎になってしまうらしい。

それから胃を破壊する。自分も飲み始めたときに胃痛に苦しんだ。血を吐くこともあると先生は言っていた。そのため、朝昼夕と食後に1錠ずつ『ムコスタ錠(100mg)』という胃薬を飲んでいる。これにプラスして胃酸の出過ぎを抑える『オメプラール錠(10mg)』を朝1錠飲んでいる。オメプラール錠は現在開発されている胃薬の中でもっとも強力な薬らしい。

ムコスタ錠(100mg)

オメプラール錠(10mg)

さらに、プレドニゾロンを服用すると骨粗しょう症になるそうだ。それを防ぐために『ベネット錠(2.5mg)』を起床後1錠飲んでいる。この薬はほかの成分と結びつきやすい性質があるため胃の中に何も入ってない起床後に飲むのだそうだ。この薬もまた、食道や胃を荒らすため、服用後は横にならず起きてないといけない。
ここまでがプレドニゾロン錠に関係する薬。

ベネット錠(2.5mg)

最後に寝る前に『メバロチン錠(10mg)』を1錠飲んでいる。ネフローゼ症候群になると血中のバランスが崩れてコレステロール値が高くなるらしい。この薬は、コレステロールの吸収を抑える効果がある。

メバロチン錠(10mg)

以上が1日に飲む薬。合計16錠。よく考えると気持ち悪い量の薬を飲んでいる。

今日までの注射:15

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18日目「体重」

070913

07年9月13日(木)

今朝体重を量ったら健常時と同じ体重になっていた。もうほとんど体内の水分が出てしまったみたいだ。最近よくトイレ行ってたし。体のむくみもほとんどなくなった。歩きやすくなってうれしい。入院してからほとんど動いてないので、体重自体も減ってそうだけど。
このまま良くなって健康な腎臓を取り戻したい。退院しても食生活に気をつけよう。ラーメンには程遠いな。

今日、斜めの獣のおじさんは外出してたらしく日中かなり静かで幸せだった。夕方獣おじさんが帰ってくるなりハアハア息を切らせながらなにか食べてた。犬みたいな音立てて食べてばっかり。
夕食後もお菓子をバリバリボリボリ食べてた。病室には食事制限されてる人とか安静に寝てないといけない人とかいるのに。
獣おじさんの会社のエラいっぽい人がお見舞いに来てたけど、よくもまああんな人雇ってるなあと思った。普通にダメだろ、常識なさ過ぎて。余計なお世話か。相部屋きついなー。

今日までの注射:15

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19日目「一時の静寂」

070914

07年9月14日(金)

今日は朝から恒例の尿検査と血液検査をした。また失敗された。

午前中に獣のおじさんが退院した。もちろん、一言のあいさつもなかったけどね。
一時的かもしれないけど、病室に静寂が戻ってかなり幸せ。
昼間に、掃除のおばさんたちが獣おじさんのことを、うるさい人だったね、いやねー、って話してた。やっぱりみんな迷惑してたんだね。自分だけじゃなくて安心した。

夕方には獣おじさんのいたベッドにおじいちゃんが入院してきた。体調を崩したらしくかなり弱ってる。がんばって回復してください。

そういえば、今日の検査結果がまだ知らされてない。なんかあったのかな。

今日までの注射:17

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20日目「Laptop」

070915

07年9月15日(土)

今日は、イチバン長く一緒にいたおじいちゃんが退院した。午前中からそわそわ準備をしている音がした。自分はシャワーを浴びて、部屋に戻ってきたときにおじいちゃんと顔を合わせた。微笑んで会釈をした。
その後、息子さん家族が来て、お孫さんたちと一緒に退院していった。どうかお元気で。

昨日入院してきた弱ったおじいちゃんは、昨夜トイレの回数が多く、看護婦さんが何回も来ていたためナースステーションの近くの部屋に引っ越していった。

今この相部屋には自分と国際おじさんの二人だけだ。国際おじさんは声が大きいが、いい人なのでずいぶんと気が楽だ。

今日は、以前注文しておいたPCを恋人が持ってきてくれた。重かったろうにがんばって持ってきてくれた。ありがたい。PCがあってネットに繋がれば自分としては不便することはなにもない。仕事もできる。Eモバイルも想像以上に速い。

Laptop

昨日の検査結果が順調だったので、外出許可をもらおうと先生に聞いてみたが、ダメだった。やはりステロイドの量が多いため、抵抗力がなく外出は命取りだそうだ。ちょっと家に帰りたかっただけなのに。残念。

今日までの注射:17

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21日目「はがゆさ」

070916

07年9月16日(日)

今日は朝からPCのセットアップをしていた。久しぶりにPCを触れてとても楽しかった。初めてのVISTAでわからないところもあるけど、徐々に慣れるだろう。

昼過ぎ、いつもより早い時間に恋人が来てくれた。今日は会社のメンバーの誕生日プレゼントを買いに行く予定だったので、いっしょにネットを見ながら何を買おうか相談した。とても楽しい一時。
普通ならこのまま一緒に買い物に行くはずなのに。黙って病院を抜け出すこともできず、恋人が行ってしまった後はまた病室で一人PCのセットアップ。なんとも悲しい状況。そんな1日。

今日までの注射:17

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22日目「敬老の日」

070917

07年9月17日(月)

3連休最後の日。
患者が妙に少ない。きっと敬老の日だからおじいちゃんおばあちゃんたちは自宅に外泊して孫たちにお祝いされているのだろう。ちなみに昼食に赤飯でた。

07年9月17日の昼食

自分は今日もPCのセットアップと書きためた日記の整理をした。ベッドでの作業がつらいので、テーブルのある小スペースに移動して作業した。

昼過ぎに恋人が来てくれて売店のレストランでご飯を食べた。自分は水だけだけど。恋人が行ってしまった後も、また小スペースに戻ってPCいじり。PCがあればネットサーフィンやら勉強やらで、どれだけでも時間がつぶせる。思い切って買ってよかった。
しかし、ネフローゼ症候群の治療ってほんとに時間かかるな。

今日までの注射:17

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23日目「デイトレ」

070918

07年9月18日(火)

今日も朝から採血と尿検査をした。
しかも、今日の採血は痛かった。してるときもした後も。たぶん自分の血管がいけないんだと思うけど。

今日また二人新たに入院してきた。たぶん引退しているだろう60代のおじさんと、30半ばくらいのギリギリおにいさんくらいのおじさん。

60代のおじさんのほうは人工透析をするために入院するらしい。そのわりに奥さんとずっと楽しそうに話してる。怖くないのか。けっこう大変だぞ人工透析って。3日に1回は病院だぞ。

ギリギリおにいさんのほうは神経質そう。なんで入院してるのかは不明。緊張しているのか看護婦さんとの会話もぎこちない。

最近国際おじさんは入院生活が退屈らしく元気がないように見える。日本食も好みではないらしく全然食べない。ちょっとかわいそうだな。奥さんはよく面会に来ている優しい方。今日も来ていた。
また、国際おじさんだけあっていろんな人が面会に来る。顔が広い方なのだろう。

自分はというと、今日はPCを手にして始めての平日だったので、デイトレをしてみた。
普段デイトレなんてしないので勝手がわからず、とりあえず慎重に取引した。結果はデイトレした分は小幅減額で、たまたま持っていた株がストップ高だったので、トータル的にプラスにだった。努力した部分が負けて、何もしてない部分で勝って複雑な気分。研究しつつ明日もやってみるか。

会社からちょこっとだけ仕事も頼まれた。入院中に少しでも仕事をして体を慣らさないと退院してからたいへんだろうな。

今日までの注射:18

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24日目「順調」

070919

07年9月19日(水)

今朝5時ごろ、透析おじさんも寝言言ってた。
「ちょっと、それはXXXXXXじゃないかー!」
って言った後、自分の寝言に気づいたらしく、
「あ、言っちゃった・・・」
って言ってた。早朝から笑わせるな。

水曜日は病院の腎臓科の先生がぞろぞろ集まって腎患者一人ひとりの経過を見て回るらしい。自分のところにも来た。昨日の検査結果はほぼ健常者と同じくらいの数値だったそうだ。来週から数値を維持したまま薬の量を徐々に減らす治療が始める。1週間単位で量を調整するので先はまだ長そうだ。

病状の経過は順調なのだが、体重が気になる。毎日0.5kgずつ減っていき、いま45.7kgしかない。このままいくと退院するころには体重が25kgくらいになる。いつ止まるんだろう。

45.7kg


ご飯はおいしいけど、さすがに飽きてきた。毎食給食ってのもキツいな。選べないし。ラーメン食べたい。カレーも食べたい。

今日までの注射:18

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25日目「母」

070920

07年9月20日(木)

今日は田舎から母親がお見舞いに来た。意外とえらいもので、交通ルートをメールで教えただけで一人で来れたらしい。もっと迷ってほしかったんだけど。

昼前には来て、面会用の小スペースで何時間か話をした。母親と何時間も話すことなんて今までなかった。変な気がした。いろいろ話してどうでもいいことも話した。
昼過ぎに恋人まで来てくれて3人で昼食を食べた。自分は水だけだけど。

5月に帰ったばかりなのに、顔が見れたのがうれしかったのか満足して帰っていった。来なくていいとは言ったが、自分も会えてうれしかった。

夕方からは、昼間できなかった仕事をした。しかし、あまり成果が出なかった。そもそもvistaの調子がいまいちおかしい気がする。
シャットダウンしても再起動するし、スリープや休止状態から再開すると解像度変わってたり、メッセンジャーにログインできなかったり。サクサク動くときもあるし、モッタリしてるときもある。

なんとなく調子の悪いPC

それから透析おじさんもやっぱりとうるさい。ひとりでしゃべってる。あと突然いびきかいて寝てる。かと思ったら寝言言って起きる。食べ方もペチャペチャうるさいし。ゲップもわざわざうるさいようにするし。年取るとああなっちゃうのかな。しょうがないのかな。相部屋きついなー。

今日までの注射:18

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26日目「夢」

070921

07年9月21日(金)

最近よく夢を見る。昨夜も見た。
普段夢なんてほとんど見ないのだが、入院してからよく見るようになった。
入院生活に制限が多いからなのか。自分自身そんなに不便している気はしていないのだが。
PCもあるし仕事もできる。退屈もしていない。
不便なことといえば、ラーメンが食べられないことと、外出ができないことぐらい。

今日からプレドニゾロンの飲む量が減った。今まで朝6錠、昼4錠だったのが、朝5錠、昼3錠になった。
1週間に2錠ずつ減るにしてもゼロになるまであと5週間かかる。
退院しても薬を飲み続けることを考えると、まだあと1ヶ月くらいは入院かな。まだまだだな。

朝5錠昼3錠

今日、国際おじさんが退院した。アメリカに帰るそうだ。病室には自分と透析おじさんとぎりぎりおにいさんの3人。透析おじさんの寝言がすごい。昼も夜も寝言言ってる。台詞もいつも長いくて、すごい不思議。誰かと共有したい。

今日までの注射:19

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27日目「モンスター」

070922

07年9月22日(土)

今日は午前中にPCのセットアップやら不調の原因を調べてたりして、午後からは仕事をしていた。久しぶりにFlashのActionScripを書いたんだけど、1ヶ月も書かないと忘れるもんだね。かなり手間取った。しかもActionScript2.0と3.0じゃ全然違う。loadMovie()って書いたら、関数ではありませんってエラーが表示されて、エ!?ってなった。これにはびっくりした。勉強しよう。

今日の夕食のこと。スライムがあらわれた!

スライム

・・・いやいや。わかってますって。
「くず包み」ですよ。あんこの団子をくずで包んである和菓子ってことぐらい。ちょっとボケただけですよ。



・・・・・・

キャタピラー

キャタピラー(いもむし)があわられたー!!!

こっちか!これが狙いだったのか。スライム(くず包み)に気を引いてキャタピラー(いもむし)の攻撃を狙ってたのか!あぶない。あやうくほんとにトラップにかかるとこだった。

いや。既にいままでにトラップにかかってたのかもね。そう考えるとダメージ大きいな。考えないようにしよう・・・。

今日までの注射:19

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28日目「一人」

070923

07年9月23日(日)

今日は3連休の真ん中の日。患者さんはみんな外出・外泊で少なくなっている。
自分のいる病室も、透析おじさんは午前中に出かけて、ギリギリおにいさんも奥さんとお子さんが迎えに来て自宅に外泊したようだ。昼過ぎからこの部屋には自分しかいない。ほんと静か。

こんなに時間があってどこにも行かずにネットだけすることなんてめったにない。いままで気になってたものを調べたり、見たり、充実した時間を過ごした。基本的に暇ではあるがこんなに自分の時間が取れるなんて、入院もそんなに悪くない。会社のメンバーのことを考えると、気が引けるが・・・。

せっかく時間があることだし、何か新しいことを勉強しないともったいないな、絶対。いっそのことパワーアップして退院してやる。

ひとり

今日までの注射:19

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29日目「わがまま」

070924

07年9月24日(月)

今日は秋分の日。3連休最後の日。患者は相変わらず少ない。

昼過ぎまで透析おじさんは、透析治療のため部屋には自分しかいなかった。静かでシワアセ。
まあ、透析おじさん帰ってきてからは普通にうるさかったんだけどね。ご飯ペチャペチャ言って食べるし。
先生にわがまま言って困らせてた。しかも早く退院したいって言って勝手にスケジュール決めてた。
お医者さんは患者の一番いいように治療の方針を決めているし、すくない人数でたくさんの患者を診ているわけで、自分だけ治療してもらってるわけじゃないのに、そんな勝手を言うなんて。年取るとそんなこともわからなくなるのかな。
歳は関係ないな。育った環境と、性格の問題だな。世の中にはいろんな人がいるということで理解しておこう。愚痴おしまい。

今日は早朝に仕事を終えて、日中はMovableType4をカスタマイズしたり、おもしろいプラグインを探したり、GoogleのSketchUpという3Dソフトをインストールして触ってみたいした。たまにActionScriptを書くと仕事してる気がして楽しい。その間、担当の先生が一瞬だけ様子を見に来てくれた。といっても体調に変わりがないかだけの確認。ネフローゼ症候群の治療って先生にとってもあまり面白みがないんだろうな。経過が地味だし。
夕方、恋人が着替えを持って来てくれた。4日ぶりに会った。

明日は火曜日なので尿検査と血液検査がある。看護婦さんによって注射の上手い下手があるからその都度緊張する。

尿検査のコップ

今日までの注射:19

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30日目「1ヶ月」

070925

07年9月25日(火)

今日でちょうど入院一ヶ月。おまけに注射・針を刺した回数も20回目。20回目の注射は心なしか痛くなかった。
やっと、入院生活折り返し地点だろうか。長かったような短かったような。あと半分か。
この病室には自分以外の人は何度も入れ替わり、この部屋の主(ぬし)的存在になってきた。

入院生活も気の持ちようで、ここがビジネスホテルだと思えば、思えなくもない。売店に行けば飲み物やお菓子もあるから好きなときに買いに行ける(食事制限の身なので少量のチョコ菓子をこっそり食べる程度)。ご飯も日によって味にバラつきはあるが、バランスいいのもがでてくる。パソコンもできるし不自由はない。

看護婦さんも優しい。普段、会社のメンバー以外で女性に接する機会がないので、いい機会と思って観察している。看護婦さんは結構たくさんいて、午前と午後で担当が代わる。その都度あいさつに来る。みんな自分と同じくらいの年齢だろうか。明るい人、元気な人、しゃべり方がとても優しい人、今風にいうツンデレな人、さまざまだ。もちろん当たり前ではあるがエロ的エピソードはなにもない。

先生も優しい。子供の頃は、自分に恐怖を与える怖い存在に思っていたが、医者という立場を理解できる年になり、安心して医者に任せられる。しかも、ここの病院は管理が徹底していると思った。子供の頃は入院手続き等は親が行ったので今回と比較はできないが、何かするにも同意書や確認作業がある。血液検査をするにしても、いちいち名前を声に出して言わされ、血液を入れるビンの名前シールを確認させられる。めんどくさい作業ではあるが、こういうことが医療ミスを減らす大切な作業だと思う。

入院生活でイチバン困ることは、やはり同居している患者だ。散々この日記にも書いているからわかると思うが、イチバンのストレスだと思う。とはいえ、他人から見た自分もきっとなにかしらの迷惑をかけているに違いないが。しかし、自分が男であることが嫌になるくらい、おじさんという存在が嫌いになった。たぶんいまの自分は、年頃の女子高生と同じくらいおじさんのことが嫌いだと思う。これからの生き方を考えさせられた、ほんとに。

今日までの注射:20

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31日目「アルブミン」

070926

07年9月26日(水)

午前中に、昨日の検査を知らせに先生が来た。経過は順調のようだ。もうまったく蛋白尿はでていないらしい。確実に健康体に近づいている。いま数値的に問題なのは、『アルブミン』という血液中のたんぱく質の量である。正常値は3.9~5.2らしいのだが、まだ2.7しかない。
でも、自分はまだ若いからすぐ上がると先生はおっしゃった。結果のシートを見ても21日の結果から4日で0.5あがっている。あと10日くらいで正常値に届きそうだ。

07年09月25日の検査結果

しかし、プレドニゾソンの量が減らないうちは退院できないらしい。早く家に帰りたい。
病室にいても家にいても会社にいても1日中パソコンしてるのは変わりないので退院しても問題ないように思えるのだが。まあ先生のいうことには従うと同意書も書いてしまっているし、わがままは言えないか。

今日までの注射:20

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32日目「天気」

070927

07年9月27日(木)

まだ自分は4人部屋に一人でいる。とても静かで快適だ。
国際おじさんがいた隣のベッドには、おととい別のおじさんが入院してきたが、検査のための入院だったらしく今朝退院していった。結構、検査入院の人って多いみたい。ギリギリおにいさんは、手術の日まですることがないらしくそれまで自宅に外泊しているそうだ。透析おじさんは、昨日の夕方うるさく退院していった。退院のときまでうるさかった。

一人の部屋はほんとにいい。たまに看護婦さんや掃除の人が来るくらいで、だれにも気を使わなくていい。紅茶を飲みながら、チョコレートを少し食べて勉強をしている。

紅茶の午後

今朝、看護婦さんが今日は天気が悪そうですね、という話をしていた。ああそうなの、と思ったが1ヶ月も外に出ないと天気がどうとか考えなくなる。病院内は空調があるので暑くも寒くもない。そのため気候の感覚がなく窓から入る陽の光で想像していたが、最近は窓の外もあまり見ていなかった。天気予報なんてチェックしないし、ニュースも以前ほど見なくなった。福田さんが首相になったことくらいは知っているが。
ゆっくりできるのはいいけど、このままだとボケるな。気をつけないと。

減り続けていた体重は最近止まり、45,5kgをキープしている。とはいえ少なすぎるけど。外に出られるようになったら筋肉が戻るかな。こっそり筋トレはしてますが効果はあるのだろうか。

今日までの注射:20

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33日目「仕事」

070928

07年09日28日(金)

今日も血液検査と尿検査をした。検査結果は良かったが、薬の量は減らなかった。薬を急に減らすのもからだに負担らしい。なので、まだ朝5錠3錠のままだ。このまま順調であれば来週あたりまた2錠減るはず。まだまだ時間がかかるな。

今日は昼間はゆっくりしていたが、夕方から仕事がきた。ノートパソコンマウスなしでの作業はやっぱり効率が悪い。予定より時間がかかって、夜の22時30分まで作業していた。就寝時間は22時なので30分もオーバーして作業していた。幸い、まだこの病室は自分ひとりしかいないので誰にも怒られることはなかったが。
看護婦さんも廊下を忙しく走っていて見回りにも来なかった。

久しぶりに仕事っぽい仕事をした。普段の仕事の1/2も作業をしてないが疲れた。やっぱり人間、仕事してないといけないと思った。今日はよく眠れそうだ。

今日までの注射:21

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34日目「洗濯」

070929

07年9月29日(土)

今日は仕事はなかったのでなんとなく勉強しながらなんとなくネットサーフィンをしていた。
朝から曇っていて暗かった。きっと涼しいんだろうなと思っていたが、看護婦さんも患者さんもその話をよくしていた。

夕方恋人が来てくれた。いまは病室に一人しかいないので、病室でゆっくり話をした。
やっぱり気になるのは仕事のことだ。いろいろ聞いていると会社のメンバー全員疲れているみたいだ。ほんとに申し訳ない、こんなときに。できるだけ手伝いたいと思う。

日が沈むのがずいぶん早くなった。18時にはもう暗い。あまり遅くなっても帰り道があぶないので19時前に恋人には帰ってもらうことにした。病院の入り口まで見送ったが、外の空気の冷たさに驚いた。もうほんとに秋なんだな。入院していた時間を肌で感じて切なくなった秋の日。

夜、病院の洗濯機を初めて使った。病院の洗濯機はテレビカードと共有で1000円で1000度数のカードが売られている。テレビは10度数で約10分見れて、洗濯は1回150度数、乾燥は30分100度数かかる。パジャマのシャツがちょっと厚手の生地だったらしく1回の乾燥では乾ききらなかった。カードもったいないから部屋に干してみた。

半乾き部屋干し

夜、見回りに来た看護婦さんがお化けと思って驚くかもしれない。

今日までの注射:21

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35日目「お母さん」

070930

07年9月30日(日)

今日は9月最後の日。お母さんが来てくださった。
お母さんといっても実の母親ではなく恋人のお母さんだ。遠い中、雨の中わざわざ来てくださってほんと申し訳ない。こんな病室にひとり坊主の男がクタクタのシャツ着て居るだけなのに。お花まで持ってきてくれて。

お見舞いの花

病室は自分ひとりとはいえ、くつろいで座れる場所がないので面会用の小スペースに移動した。2時間くらい和やかに過ごした(自分だけそう思ってたのかもしれないけど)。ほんとに申し訳ないな。情けないな。今度はもっといいシーンでお会いしたい。こんな男でごめんなさい。

部屋に戻ったらギリギリお兄さんが病室にいた。外泊から戻ってきたみたいだ。せっかくひとりを満喫していたのに、もうおわりか。しかも明日から月曜日だからきっとまた新たな入院患者が来る。あーあ。

今日までの注射:21

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36日目「やっぱり」

071001

07年10月1日(月)

今日やっぱり新しい入院患者が入ってきた。しかもふたり。満室です。二人ともおじさんで2、3日で退院だそうだ。

密接している隣のおじさんはとても静かでいいんだけど、スペース挟んで隣のおじさんはうるさい。
食べたあとのちゅーちゅーぺちゃぺちゃはしないといけないのかな。動けるなら面会ホールで話せばいいのにずっと病室で話してる。話を聞かせたいのか。見てないテレビもつけっぱなし。なぜだろう。
娘さんもいい人なんだろうけど、ずっと付き添ってあげて話を聞いてあげてた。夜には息子さんもきて3人で面会時間いっぱいまで話してた。

昨日、いままで担当だった先生が外れて、今日新しい担当の先生があいさつしに来た。なんで交代したのかわからないがそういうシステムらしい。新しい先生も若い方で、歳も自分とそんなに離れていない感じだった。今の状態を維持できれば今週末にはプレドニゾロンが1日30mg(1日6錠)まで減る。それから様子を見て、順調であれば退院できるそうだ。あと3週間くらいか。ふぅー。終わりが見えてきたかな。

今日までの注射:21

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37日目「発狂」

071002

07年10月2日(火)

今日も血液検査と尿検査をした。失敗もされた。でも結果は順調だった。アルブミンは3.0まで増えた。この調子を保っていけるようにしたい、一生。

07年10月2日の検査結果

隣のおじさんがうるさくて発狂しそう。何度殴ろうと思ったか。殴ったらおじさんの入院が長引いてこっちが迷惑なので、ぐっとこらえたがなんであんなにうるさいのか。一日中、ちゅうちゅうちっちっちっちっ口を鳴らしている。今日は奥さんがいらしていて、おじさんに舌打ち止めなさい的なこと言ってたのに、おじさんは「うん、大丈夫。」って言ってた。なにが?

ほんとに我慢できなくて、夕食食べた後は面会スペースに行って仕事をした。幸い面会スペースは誰もいなくて(夜遅いからね)かなり仕事がはかどった。自分は神経質で潔癖症ではあるがおじさんの行動はほんとにひどいと思う。一日中おじさんのちゅうちゅうを聞くこの苦痛体験を誰かと共有したい。早く明日になって退院ほしい。ひとりになりたい。相部屋はほんとにきつい。

今日までの注射:23

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38日目「食生活」

071003

07年10月3日(水)

月曜日に入院してきたおじさん二人は午前中に退院した。いまぎりぎりお兄さんと二人部屋だ。すっきり静か。もう入院して来なくていいよ。

今日は昨日から頼まれていた仕事をちょくちょく進めて大体できた。あとは細かい処理とデバッグぐらい。

自分の予想では退院は2週間後の週末くらいかと思っているのだが、それまでに退院後の生活のことを考えておかないと。特に仕事と食生活か。仕事に関しては肉体労働ではないし、今もほぼ1日中パソコンをしているので、通勤と労働時間だけ気にすればいい気がするが、問題は食生活だ。いままでのようにコンビニ弁当なんて食べてらんない。食べれば即入院だ。いままで以上に料理をがんばらないといけない。料理が好きでよかった。外食が減って食費の節約もできるし、ひとつスキルが身につくと思えば苦じゃないし。

いま給食は減塩メニューが出されている。そのため味噌汁や漬物は一度も出てきたことがない(久しぶりに味噌汁飲みたい)。腎臓病の場合たんぱく質の摂取量も気にするものかと思っていたが、先生はなにもおっしゃらない。そこまで気にしなくてもいいのか。

減塩I(並)

先生と相談しつついろいろ調べてみるか。

今日までの注射:23

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39日目「理解不能」

071004

07年10月4日(木)

やっぱりまた新たに入院してきた。じいちゃんふたり。しかもなんでか意気投合して廊下でじいちゃんトーク炸裂なわけで、「アレ」で話が成立してる。これが一昔前に流行った「老人力」というやつか。

一方のおじいちゃんは、この病院とは10年くらいの付き合いで入退院を繰り返しているらしい。そのわりに照明のつけ方がわからないといっていた。かなりの血糖値の持ち主。
この血糖おじいちゃんは、指で机やベッドの金属部分をトントンリズムを刻む癖がある。それから、炭酸飲料がとても好きらしく、よく飲んではゲップやしゃっくりをしている。またしても耳障り。というかおじ(い)さんとは、うるさい癖を持っているものなのか?自然と身についてしまうものなのか。
他人の癖を観察してしまう自分にももううんざり・・・。

もう一方のおじいちゃんはいろいろ悪いところがあるらしいが肝臓がイチバン悪いらしい。しかも天然だ(決して痴呆の方のボケではない)。先生の問診に対してもまじめに一生懸命答えてるんだけど、答えが支離滅裂。時系列もむちゃくちゃで先生もわけわかんなくなってた。以下が会話の一例。

じい「3年くらい前は太ってたんですよね、わたし」
先生「あーそうなんですか。最近体重は量られましたか?」
じい「最近は量ってないですけど、昔は98くらいあったんですよね」
先生98kgですか
じい胴回りがね」
先生「・・・胴回り!?」
自分(体重の話じゃないのかよ・・・)

病院を観察してると、先生と看護婦さんの大変さがよくわかる。
昨日退院したおじさんたちもそうだったけど、さみしいのか話しかけられるとほんとにどうでもいい話で看護婦さんを引き止める。看護婦さんはどんなに忙しくても患者の話を聞かなきゃいけないし、患者を怒ることは絶対にしてはいけない。かなりフラストレーション溜まってると思う。なのにいつも笑って話を聞いてあげてる。ほんとに大変な仕事だなーと思う。尊敬します。

今日までの注射:23

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40日目「通知」

071005

07年10月5日(金)

今日の夕方、主治医の先生が来て状況を説明してくれた。プレドニゾロンの副作用で血糖が高くなっているらしいが、副作用のせいであることはほぼ明らかなので、あと1週間くらいで退院しましょうとおっしゃった。

びっくりした。

今日から薬の量が2錠減り、朝4錠昼2錠(1日30mg)になった。これでまた2週間様子を見るのかと思っていたら、1週間程で退院だそうだ。もちろん病状がいまの状態を保ったままという条件での話であるため、来週の血液検査次第ではある。

うれしかったが、自分が予定していたより1週間早まったことで、なんとなく焦りが出てきた。入院中に勉強しようとしていたことがまだ終わってないし、見たい動画もやっと1作品見終わったばかりだ。このままではただ入院しただけになる。
明日から3連休だけどちゃんと勉強しよう。夏休み明けの小学生みたい・・・。なんだかほんとに焦ってきた。

今日までの注射:24

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41日目「入院費」

071006

07年10月6日(土)

このサイトをどのくらいの人が見ているかわからないが、参考のために1ヶ月分(07年9月の30日分)の入院費について記録を残しておこうと思う。これからネフローゼで入院する人、いま入院中の人、過去に入院の経験があって比較したい人、などの参考になればと。
なお、料金明細を見て自分で解釈したものなので、項目に対する金額が間違っているかもしれないのと、便宜上端数は適当にカットしてます。あしからず。

まず、入院費を計算するに当たり自分は1ヶ月間以下のような条件で入院した。
・ネフローゼ症候群(微小変化型)
・プレドニゾロン(ステロイド剤)を1日40~50mgと他数種類の薬を服用
・外出、外泊はしていない
・食事は1日3食
・病室は4人の相部屋(イチバン安い部屋)
・血液検査と尿検査を1週間に2回行う
・売店等で購入した雑費は含まない
・社会保険に加入している


まず、基本入院料(入院料・医学管理料)は約140,000円。この入院料・医学管理料が何に当たる額であるかはよくわからないが入院全般にかかったお金だと思う。これがイチバン高い。
次に、検査料(検査料・画像診断料)は約12,000円。もし、この金額が血液検査と尿検査のみの金額なら、1回当たりの検査料は約1,500円になる。
続いて、投薬料は約5,000円。この金額が服用する飲み薬だけであれば、1日約170円くらいだ。思っていたより薬は安かった。
さらに、食事療養料は約23,000円。1日3食のご飯代。金額だけ見れば1ヶ月の食費として考えればまあ安い。
最後に、室料は約45,000円。宿代。1日1,500円である。

これらを合計すると、1ヶ月(30日間)に発生した入院費は約230,000円となる。23万円という額だけ見れば高いかもしれないが、命には代えられないので安いと考えるしかあるまい。実際、都道府県や市町村によって医療費・入院費が異なるので、この入院費が妥当であるにしても、比較する病院によって安いかもしれないし高いかもしれない。

ちなみに、23万円あれば以下のものが買える。
・ヨーロッパ1週間の旅
・45インチ液晶テレビ
・ディズニーアンバサダーホテル2泊(ピーク時)
・VAIO typeS(結構いいスペックで)
・HONDAのゴリラ・モンキーとかのバイク
・YAMAHAのアルトサックス
・オメガの腕時計

など、買えるものを書き出してみたが、どれもいまいちほしくないと思った。イチバンほしいのはラーメンの食べれる健康なカラダと日常の生活だとこの入院で気づいた。いままでは、お金のために生きていた気がした。お金があるとそれが幸せだと思ってた。もちろんお金があればそれはそれで幸せと思う。でも、これからは死なないように生きていかないといけない、そこまで深刻な病気ではないけど。
生きていくためにお金を使う。たぶんこれが普通のことなんだろうけど忘れていた。その忘れてた期間がこの20年なんだと思う。20年間忘れていた病気と一緒に大事なことも思い出した。なんというプライスレス☆

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42日目「大腿骨骨頭壊死」

071007

07年10月7日(日)

今日もすることがなかったので、少し仕事をしてあとは1日中ネットをしていた。

昼過ぎに主治医の先生が様子を見に来てくれた。様子といっても特に変わったことはないので、なんのことないが。
そのときに、薬の副作用の話をしてくださった。プレドニゾロンを服用するとやはり骨が弱くなるらしい。ステロイドを長期で服用すると、大腿骨骨頭壊死という症状が現れることがある。これは何かというと、腰骨と足の大腿骨が接触している部分の血流が悪くなったり、骨が弱くなって破壊され、最終的には歩けなくなったりするらしい。
自分は子供のときにもステロイドの服用経験があるので要注意だそうだ。

・・・恐ろしい。

とりあえず、プレドニゾロンを服用中は走ったりして足腰に圧力をかけないとか重いもの持たないとかが大事だそうだ。日常生活もちょっと不便です。

友達「ごめん、これ運ぶの手伝って。」
自分「あ、オレちょっと重いもの持てないんだよね。」
友達「は?何言ってんの?」
自分「じつは、ステロイドを長期服用してて・・・うんぬんかんぬん・・・」

・・・めんどくさい上に、友達は自分にどこまで何を頼めるのかの線引きができないと思う。
とにかく、ならないといいな大腿骨骨頭壊死。ほんと怖い。

今日までの注射:24

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43日目「筋肉」

071008

07年10月8日(月)

止まったと思っていた体重はやはりすこしずつ減っていたようだ。現在45kg。昨日シャワー浴びたときに浴室の鏡で自分を見たら、ルパン三世みたいなカラダしてた。

ちょこちょこ歩いてはいるけど、せいぜい売店とか面会ルームの往復くらいだから、大した運動にはならないか。筋トレはしてるから腕の筋肉は少し戻ってきてはいるけど、力の使い方が思い出せなくて軽いもの持っても重いもの持っても手がプルプルする。ハミガキしてる5分もたまに足がプルプルするときがある。
どうすれば運動しないで筋肉付けられるのか。薬が切れるまで無理なのか。

今日は3連休最後の日。休日祝日は病院では検査・手術がないのでやっぱり静か。気持ちよかったので面会ルームに行って仕事をした。

明日は薬が30mgに減ってから初めての血液検査だ。結果が悪かったら入院が長引く。たぶん大丈夫と思うけどなんとなく心配。

今日までの注射:24

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44日目「ひげ」

071009

07年10月9日(火)

ステロイドを服用すると毛深くなるらしい。

毎朝ヒゲを剃っているのだが、入院してからヒゲが濃くなったのを感じていた。ステロイドを毎日大量に服用しているからで、坊主にした頭もだいぶ髪が伸びてきた。すね毛は見た感じ変わらないけどたぶん濃くなっているんだと思う。気を抜くと左右の眉毛はつながろうとしている。

自分は男だから全然気にしてないけど、女性は大変なんだろうなーと思った。

病院のエレベータ内には鏡があるのだが、今日何気なく自分の顔を見たら、ヒゲが生えていた。ヒゲといっても口元やあごにではなく、頬骨の辺りに結構長いヒゲが生えていた。まさに猫のヒゲのようなヒゲが。

ねこのほおひげ

自分としてはどうでもいいし、剃れば済む話だけど、今日まであった看護婦さんとか受付の人に、「この患者、変なところにヒゲ生えてるわ。病気かしら?」と思われてたらどうしよう。ただでさえ病気なのに。
今朝の血液検査の結果は大丈夫だろうか。

今日までの注射:25

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45日目「確認?」

071010

07年10月10日(水)

昨日の夜、看護婦さんから明日レントゲンの検査がありますと言われた。先日、主治医の先生から大腿骨骨頭壊死の話を聞いたから、腰のレントゲンを撮るのだろうと思ってレントゲン室に行ったら、肺のレントゲンを撮られた。カラダのむくみは一切ないしむしろ痩せすぎて水分量も少ないと思うから、肺に水なんて溜まってないのに、なぜ?間違えた?

昨日の血液検査の結果もまだ聞いてないが、いままでに結果を聞かされないときもあったし、この段階で悪くなってたら先生が言いに来るだろうからたぶん大丈夫だったと思うけど、ほんとに退院できるのかにわかに信じがたい。いやきっと大丈夫。

血糖じいちゃんだが、話を盗み聞いているとどうやらジュースは一切飲んでいないらしい。じゃあ、いつも「いいぃぃ!」とか「ぐわあぁ!」とか「がふッ!」って言ってるゲップはなんだ?エラー音?何はともあれ血糖じいちゃんと肝臓じいちゃんはすっかり仲良くなって一緒に廊下を歩いてたりしてる。よかったねー、友達ができて。

今日までの注射:25

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46日目「イメージ」

071011

07年10月11日(木)

今日は検査もない。ただ結果待ちの状態だったので、一日中面会ルームで仕事をしていた。

面会ルーム

もうすぐ退院とは夢のようだ。

入院した時、入院したことが信じられなくて夢のような感じがした。本当の自分はいつものように会社に行って仕事をしていて、もうひとりの夢の自分が入院している。そんなイメージだった。
でも、今は逆で入院している自分が本当の自分で、外に出ることは一生できないような気もしていた。だから、退院といわれてもピンと来ない。外を歩く自分がイメージが想像できない。外に出るのが少し怖い気すらする。

いままで通りの生活はできるのだろうか。いままで通りの生活までどのくらいかかるのだろうか。不安はたくさんあれど、悩んでいてもしょうがない。最善の方法で前に進んでいくしかない。

今日までの注射:25

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47日目「前日」

071012

07年10月12日(金)

今朝、最後と思われる血液検査をした。入院中散々右腕にアルコールを塗られ、針を刺され、テープを貼られていたので、肌が弱くなってかゆい。

午前中に先生が部屋に来て「いつ退院しましょうか」と尋ねられた。今すぐにでも、と思ったけどいつからできますかという話から、では明日の午前中に退院ということに決まった。でもまだ実感がない。きっと明日、家についてもふわふわした気持ちなんだろう。

面会ルームで仕事をしていたら、看護婦さんから明日の退院時間と次回外来の予約についての説明をされた。看護婦さんもうれしそうに笑って話してくれたが、サービスで笑ってるのかなー看護婦さんってほんとに大変だなーと思った。でも、ほんとお世話になりました。

午後に院内の薬剤師の方が来て退院後の薬を袋にいっぱいくれた。病院からもらう薬についていつも思うことがあるのだが、飲み忘れたり、服用量が減ったりで薬が余ってるときはどうすればいいのだろう。換金できるのだろうか。医者が飲まなくてもいいよって言われたあとに飲むわけにもいかないし。今度聞いて見ようか。

夕方、主治医の先生が来て退院後の治療方針の説明をしてくれた。自分でも忘れないようにメモしておこう。
・通院は月に1回
・薬は1ヶ月単位で2.5mg(0.5錠)ずつ減量
・通院中病状が悪化したら状況に合せて薬を増量
・最終的に薬は0にする
・つまり長い通院が必要
・運動はダメ
・腎機能はいまのところ正常らしい
・よって食事制限は特にない

先生どうもありがとうございました。これからもよろしくお願いします。ただ、食事制限がないというのがなんとも信じがたい。本当だろうか。子供のときあんなに食べちゃダメだったし、世の中のネフローゼの方も苦労してるっぽいのに。いいの?ラーメン食べちゃうよ?

自分の中でまだ実感がないがシャワーでも浴びてさっぱりしようか。

今日までの注射:26

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48日目「退院」

071013

07年10月13日(土)

朝、いつものように6時に起きた。いつものように起床後の薬を飲んでパソコンでニュースを見た。
11時くらいに病院を出る予定だったので、朝食後はボーっとした。もともと荷物もそんなに多くないので30分くらいあればまとめることができるから。

その間看護婦さんや先生が来てくれて、おめでとうを言ってくれた。あなた方のおかげです。感謝してます。これからもお世話になります。

11時ちょっと過ぎに迎えが来てくれたので、いったん荷物を外に出した。もう一度病室に戻り忘れ物が無いかを確認。そのあと、病室の同居人に退院の挨拶をした。これが結構気が引ける。
入院してる人は早く退院したいわけで、そんな中「退院しますんで(ニヤニヤ」みたいなことを言ってくるヤツにはイラッとする。自分もいままで先に退院していった人たちには笑顔で対応したけど内心イライラッとした。みんなそうだろうとは思うけど黙って出て行くのも大人気ないと思うので。

最後にナースステーションによってロッカーの鍵を返却して手続き終了。本当は今日までの入院費を支払って帰らないといけないらしいが、今日が土曜日だったため請求書が後日郵送されてくるシステムみたいだ。気分的に今日払ってしまいたかったけど、しょうがない。

はじめ病院から歩いて帰ろうと思ってたけど、思った以上に自分の体力がなくなっていたため、無理をせずタクシーに乗り無事に帰宅。



じつに長かった48日間の入院。大変だったがいい経験ができたと思う。でももう入院はしたくない。お金もかかるし、検査やなんやらで自由を奪われるが、周辺の人間にかける迷惑の量が本当に計り知れない。これが一番痛いし、入院中のストレスになったと思う。
こんなカラダになる前は多少無理しても自分は大丈夫と思っていたが、決してそんなことはなかった。みなさんも自分のカラダを大切に。体調が悪いときは遊びに行かないで家で寝ていましょう。

入院が大変だったとはいえ、入院中は病院にいるわけだし医者管理の下、治療をしていたので心配なことはなにもなかった。心配なのは退院してからの方だ。ネフローゼ症候群は完治することはできない。そのため常に体調や食事を気にしていないといけない。長い治療はこれから。用心しないと。



決して多くはないと思いますが、このサイト・この入院記録を読んでくださった方、ご心配くださった方ありがとうございました。無事に退院することができました。
これからは通院記録や日々のネフローゼ記録を続けていく予定です。どなたかのなにかの参考になればと思います。また、同じネフローゼ症候群を抱えている人、一緒にがんばりましょう。
では、ネフローゼ症候群入院記録はこれにて終了。

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